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美と匠を追求できる左官という仕事
こんにちは。神奈川県横浜市を拠点に左官仕事を行なう共新工業です。弊社では未経験・経験者ともに左官職人を募集しています。そこで今回は共新工業の米内社長に左官職人としての仕事内容、弊社での教育内容、さらに弊社の魅力について分かりやすく説明してもらいました。
共新工業で行なう左官仕事は?
左官とは、簡単にいえば建物の壁や床を作る仕事です。左官工事の適応範囲は広いので、一般的に左官工事の専門分野は会社ごとに異なります。ちなみに弊社では外壁の左官工事が専門です。
外壁の左官工事は大きく分けて、3つの工程があります。
ラス網張り
ラス網とは、壁部分にモルタル(セメントまたは石灰を水で練ったもの)が強く定着するように張り渡らせる金属製の網です。ラス網を張る前に、まず建物に水分が入らせないようにする透湿防水シートを貼ります。その上からラス網でシートを押さえつけるように張り付けます。そしてコーキングというゴム材で浸水しそうな隙間をさらに埋めます。
これらは壁を作る上で大事な工程です。どうすれば浸水しないか、網が綺麗に建物の枠に収まるか、ここでしっかり考えることで仕上げが美しくなるかどうかを決めます。
コーキングは本来左官の仕事ではありませんが、外壁を作る上で重要な工程の一つです。そのため弊社ではコーキングの工程も続けて行なっています。ただし、工務店ごとにコーキングを行なう順番は指定が違います。ラス網を張った後もあれば、モルタルを塗った後にコーキングを行なう場合もあり様々です。弊社ではそういった工程の違いもしっかりと解説します。
モルタル塗り
弊社ではモルタル塗りをするにあたり、モルタル練りから行います。しかし、手練りではなく、機械による練成です。
それでも慣れていないと最初は危険を伴うので職人初心者の方には、担当しないことにしています。そこで最初は、どのように扱うか、流れを見習っていただきます。それから1ヶ月後くらいに機械でのモルタル練りを徐々に試し、身につけていく教育方針をしています。
モルタル練りは左官の仕事道具であるコテを使うことに慣れる第一歩です。下地として練りあげたモルタルをラス網にコテで塗り付けながら、どうしたら隙間なく壁を埋められるか、綺麗にならせるか、現状がどれほどの完成度かを客観的に見極められるかなどを学んでいきます。
仕上げ塗り
仕上げの塗りはお客様が一番注目します。そのため、ある程度、熟練の技術を持った左官職人が任される工程です。初めてから2、3年の左官職人では担当できません。
5年ほどして、慣れてきて、施工にもある程度コツを掴んだ頃から徐々に任されるようになります。お客様との完成イメージの打ち合わせを行ったり、共有するだけでなく、お客様のイメージに限りなく寄り添える表現力を持ったという自信が持てるようになったら適任です。
左官職人一人一人に合わせた指導法とは?
弊社では、左官仕事を経験したことがある人も、未経験の方も、左官職人として歓迎です。その際に、スタート地点の違う左官職人たちが各自スムーズに成長できるよう、左官職人たちのステップに合わせた指導法を取っています。
未経験者の場合
多くの左官職人は未経験からのスタートです。左官という仕事がそもそもどういった仕事なのか、どんな道具で、どんな手順で施工をするのかなど、基本的なところから知る機会が必要な人がほとんどです。
その大事な機会として、未経験の左官職人さんには最初の1ヶ月、職人道場で研修をしてもらいます。
職人道場では左官仕事の知識や技術をただ学ぶだけではなく、実際の現場で使う道具や方法で体を動かしながら練習します。そうすることで、1ヶ月で現場に参加できる実戦力が身につく絶好のチャンスです。
経験者の場合
ある程度、左官職人としての経験がある場合、仕事のできる度合いに応じて現場の仕事を任せていきます。また、チームを組んで現場に行かせることも可能です。
未経験者であれ、経験者であれ、現場へ実際に行った際には、先輩の左官職人たちが各工程できちんと教えて行きます。また、現場から会社に帰ってきた後も、今日はどうだったか、この方法はまだ早かったねなど、その日の反省や振り返りをすぐに行います。そこから次の成功につながる提案や意見交換を行なうことで、教える側も教わる側も知識や技術の定着化が進むというわけです。
外壁を作る上で綺麗に見せるコツは?
左官工事でコツはあるのかというと、実はそんなにありません。
左官工事で一番重要なのは、コテの使いこなしです。しかし、コテの使用感には個人差があります。
鉛筆で例えるなら、筆圧の弱い人と強い人が引く線にそれぞれの特徴が出るのと同様です。
一方、筆圧の弱い人は長いストロークや細かなカーブが再現できても、筆圧の強い人は再現できず、逆に筆圧の強い人は真っ直ぐな線を引くのが上手いというような、表現力の長所と短所、持ち味がそれぞれ違います。
そのため、どんなに教え方の上手い先輩がいたとしても、学ぶ側はうまく理解できなかったり、再現できなかったりします。
そのため、左官職人の世界ではコテの動かし方、持ち方、塗り方は個人個人のやり方が尊重されます。そして、効率の良いやり方や仕上げ方、表現方法は自分で見出していくのが一般的です。
仕上げの工程になると表現方法の個人差は顕著になります。
しかし薄く塗る必要があるものから、厚く塗る必要があるものまで、コテから受け取る感覚は微細になることを同様に求められます。
しかも仕上げはただ平に塗るだけでなく、模様も出さなくてはいけません。自分で自在に表現できるようになることが最重要です。そのため、左官職人として始めたてのうちは下地塗りでコテの感覚を自分でつかんでいくことが大きな成長につながります。
一方、指導やアドバイスが全くないわけではありません。
弊社は戸建ての注文建築がほとんどです。そのため、建物ごとにこうやっていけば安全にできる、上手く塗りやすいといった指導やアドバイスを重点的にします。
そうした教育の中で、お客様の意図や希望を、打ち合わせの中からどうくみ取って行くかも少しずつ教えて行きます。
弊社には数多くの事例があります。
社長自らも、現場ごとに適した方法を左官職人たちにもいくつも提案していくことで、左官職人たちが成長するきっかけを用意したいという考えです。
左官の仕事は1000年の歴史?
左官の仕事は日本古来からあり、1000年にも及ぶと言われています。
伝統の模様は基本的にお城やお寺などを漆喰で平に塗るものがメインです。
しかし、ただ塗りたくって終わりではありません。
平なら平、模様を付けるなら模様付けを徹底します。それが左官の仕事です。
現在では外壁を作る上で、海外で使われる材料や模様も使われるようになりました。
さらに、壁にも流行があります。
10年前、30年前の壁ではやはり特徴が明らかです。
そこでその時、その時の流行を追うだけでなく、新たなデザインを考えたり、技術を取り入れたりすることも重要です。
目新しい壁材があればメーカーさんの研修を受けることもあります。
左官の仕事は1000年前からあります。
しかし壁は時代ごとに求められるデザインや材質、建築方法が変わって行きます。お客様にしても、新しい材料や工法、デザインがあればひょっとすると私たち左官職人以上に詳しい場合があります。
だからこそ、私たちはそういった最先端の技術や材料を少しでも、常に取り入れるアンテナを伸ばします。こうしてさらなる歴史が積み重なって行くのです。
左官職人の現場を積んだ社長が思う左官の仕事の魅力とは?
左官仕事ではやはり『仕上げ塗り』という仕事そのものが魅力です。
まずお客様がイメージした壁の仕上がりを再現できた時は満足感と達成感で満たされます。
そして私はもともと外壁の仕上げ材を見ることも好きなので、新しい建築物を見た時に、自分たちの手でも作っていけるかと考えたり、美術品を見るような刺激を感じたりする楽しみがあります。
外壁は家が壊れる、あるいはリフォームをしない限りはそこにあり続けるものです。ずっと残り続ける作品と言えます。
そういったことから、美術品や工芸品を手掛けるアーティストとしての一面性も楽しめます。
もちろん表現力も基礎がないとできません。そのため、モルタル塗りでの基礎の積み重ねは、今でも重要と思っています。
左官仕事は下地作りから仕上げまで一貫して行われる仕事だからこそ、小さな仕事も仕上がりの美しさにつながるという意識が生まれます。
逆に言えば、どんな段階からもアーティストとしての意識と技術を試されていると実感できます。
そういった魅力を感じたい方に、左官仕事はピッタリです。
少しでも興味が湧きましたら、まずはぜひ弊社で実際に確かめに来てください。
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