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心に軸を持てば、道は開ける

神奈川県横浜市を拠点に左官工事を請け負う共新工業です。
今回はベテラン職人の澤口忠吉さんに左官職人として腕を磨く秘訣や共新工業との出会い、今日まで続けてこれた理由などを語って貰いました。

共新工業との出会いは?

私は弊社に入る前はとある雪国にいました。しかし、そういった地方では人の住む母数もそんなに多くはありません。したがって、仕事がほとんどありませんでした。そこで、叔父が東京の方で大工の工務店をしていたので、共新工業を紹介してもらったのがきっかけです。

入った当初は、木造家屋より、鉄筋コンクリート製のビルの左官工事を主にしていました。実に今の社長がまだ中学生ごろの話です。そこでありがたいことに、私の仕事に対する熱意がどんどん結果に出ていき、気付けば入社して数ヶ月で職長を任されていました。ちなみに私は30と数年もの間、弊社で働いてきましたが、下手な欠勤は一切したことがありません。それほど左官が打ち込みがいのある仕事だったというわけです。

左官の仕事を続けてこられた理由は?

まず、左官屋以外をやろうと思ったことはありません。性格的に一本堅気だったのもあるかと思いますが、他の仕事に興味が湧きませんでした。

そもそも、他のところに行ったとしても、また1からやり直しです。私は今までせっかく育ててきた能力、積み重ねてきた知識や技術を転職をきっかけに捨てても良いとは思えません。また一方で、この会社で働いてきて「今まで積み重ねてきたものを捨てても構わない」と思うほど、理不尽な思いや不遇な環境を味わったことは無かったからです。

おかげさまで、別の仕事へ気まぐれに興味をそそられ、あちらこちらへ行ったところで中途半端になると考えることが出来ました。そして、自分がそういう考えで腰を据えていった先に、左官職人としてさらなる道が切り開けていくということに気が付けました。

それに、客観的に考えた時に、フラフラした生き様は親をはじめ家族や友人にも迷惑をかけたり、心配させたりして、どんどん悲しい思いが増します。
そういった思いをさせないためにも、何事も、何かを見据えるとか、腰を据えるといった概念が大事なのだと確信しました。

左官の仕事にやりがいや楽しさをどこで感じる?左官の仕事にやりがいや楽しさをどこで感じる?

左官の仕事を一つの芸術として考えられるところが大変楽しいです。

今は昔よりも建物にいろんな模様をつけていくのがオシャレとして、浸透してきました。お客様から、メーカーには無いオリジナルが欲しいと言われることもあります。そこで私もたまに自分で考えた模様をお客様に提案するのです。こうして、お客様との打ち合わせで一期一会のアレンジができます。

そうすると、一つの芸術として、昨日より今日、今日より明日と腕やセンスを高めていきたいくなります。センスは外の世界に日々アンテナを張ることでも鍛えられます。そして、街を歩くたびに色んな建物に目を向けて、仕上げがキレイな建物を目にする機会があれば、すぐさま「どんな材料、どんな方法でこんな仕上がりになったんだろう」と考察を始めます。そして、自分だったらどうするだろう、こうすればもっと良くできるのでは」などの考えにすぐさま気付く瞬間がやってきます。

その領域に行くまでには、人によっては何年か必要かも知れません。しかし、興味と好奇心、探究心や成長したいという欲があれば、すぐに行き着きます。
左官という仕事に魅力を感じていればいるほど、気付く瞬間は早くやってくるでしょう。

どんな人に共新工業の職人が向いている?

心にブレない軸がある人です。

左官の仕事はそもそも一人前となるのに5年はかかると言われています。そして技を覚えたら完璧、ではありません技を定着させて自分の思うがままに出来るまで、もう2年は必要です。

ところが心に軸が無いと、定着もしない内に誰かの言われるがまま、自分の興味が向くままに、新しい仕事をしてみたいという欲が生まれます。すると積み重ねてきた数年を一瞬で失い、また1から違う修行の積み重ねが始まるのです。一方、そこで心の軸がきちんとあれば、2年ほどの定着を超えた先に、自分なりのアレンジを加えるという新たな道が開けます。

どんな時も、今やっていることが何のためにあるのか、必要なのかという「物事の本質」をつかむことが大切です。しかしそれは並大抵の人間には大変で、つかむまでに色んな我慢も必要です。ただ、心の軸があれば、我慢が必要な瞬間は成長のきっかけと裏返しだと確信していきます。

だからこそ、ぜひまずは心の軸を持ってください。譲れぬ目標、夢、または決意を持ってください。そうすればみるみる育つ自分になるでしょう。

どんな育成をしたい?

まずは人付き合いを大事にする育成をしたいです。

いくら腕が確かな人だろうと、相手を思う気持ちが無いということは、相手も仕事の腕を認める気持ちになれません。それは自分にとって大きな損につながります。

つまり、お客様を大事にできるようになることです。

例えば、お客様に少しでも分かりやすく、この壁はこういった材質を使っていて、こうした方法でこういった模様や仕上がりが生まれて…と言った説明ができるようにならなくてはいけません。

また、お客様への挨拶をきちんとできるようにしたいです。

お客様から声をかけられても、どうせ自分のことじゃないと思い込んで無視を決め込んだとあってはクレームにつながります。ちなみにそんな時は「上の人に聞いてきます」と返せば良いのです。私は、そういった具体的な返しなどを一つ一つ、教えていこうと思っています。

左官の仕事や伝統を身に着けていく中で思うことは?

今まで積み重ねて来た技術や磨いて来たセンスを今後の仕事でさらに活かしていきたいです。

そもそも一人前の職人は体が健康であれば生涯現役です。何より、身体が覚えています。もし何らかの理由でブランクが生まれても、手が思い出します。だからこそ、仕事や伝統をどんどんこの先も身に着けていきたいです。そうすれば、もし何らかの理由で一度は現場を離れたとしても、そこからまた再スタートできるからです。そのように、自身の自信につなげていきたいと思います。

共新工業をどんな会社に成長させていきたいですか?

新しく入って来た人たちと刺激しあえる会社に成長させていきたいです。

自分の技術やアイデアを受け継いで貰うだけでなく、新しく入って来た人たちからもアイデアやセンスという刺激を受けたく思います。それが出来れば、会社はさらなる左官仕事の可能性に到達できると思うからです。

一方で、私たちが仕事の魅力をきちんと伝えていければ、新しく入って来た人たちに受け取ってもらえれば、色んな道がまた開けると思うからです。そういう、新しい人たちの存在でさらに活性化する会社にしていきたいです。

自分自身の目標や夢は?

まずは体を健康に、現状維持です。

次に、今の会社を広げていきたいという社長の考えと、今度入ってくる若い人たちの考えを、しっかり覚えていきたいです。やはり、自分が伝えたい、受け継いで欲しいと思うより前に、相手の考えも知ることが大事だからです。

左官仕事はもちろん一年やそこらで覚え切れる仕事ではありません。しかし、生業として身につけていけば、大きく道が開けていく仕事です。覚えていけばいくほど、新しい気付きや次のアイデアが浮かびます。
それらは、その場限りではなく、現場での挑戦を積み重ね、続けて行った先にあります。しかし、そこで一度身に着けば、あとは余程のことが無ければ忘れないのも左官仕事です。

そこで初めて独立するという可能性も生まれます。しかしただ覚えたきりでは意味がありません。もちろん、身に着いたらです。
弊社では、身に着けるにふさわしい熟練の技術とセンスがあるからこそ、職人たちに有意義な成長の日々を送ってもらえる自信があります。ぜひ弊社で自慢の技を次の時代につなげていきませんか。



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