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関わる人全員を幸せに!半年以上かけて作り上げる企業理念に込められた想い

東京都品川区を拠点に、首都圏で活動している株式会社谷幸です。戸建・マンションの内装左官工事を中心に、外壁仕上げ工事、土間工事を少数精鋭で手がけています。

谷幸では現在、社長と社員が一丸となって企業理念を築き上げている真最中です。

今回は谷口社長にインタビューを行い、企業理念を作るに至った経緯や、込められた想いを聞きました!

半年以上かけて練り上げるみんなの想い

インタビュアー(以下、イ):もうすぐ企業理念が完成するとお聞きしています。

谷口:去年の10月から半年ほどかけて理念を作っているところです。主幹となる理念はほぼ決定しています。「私たちは人に必要とされ役に立ち幸せと笑顔を届けます!!」という一文です。

イ:それほどの時間をかけてまで企業理念を作る、そのきっかけは何だったのでしょう?

谷口:弊社は去年の9月に法人化したのですが、それまでは現場管理などを私のその場凌ぎの判断やってきた部分がありました。それでは利益面などでうまくいかない部分があり、法人化の際に社員たちから意見が上がってきたんです。会議を重ね、本音でぶつかるうちに「これからはみんなで結束してやっていこう」という気持ちが高まり、企業理念を作ることになりました。

一人ひとりの幸せを言葉に

イ:そこからどのように作っていったのですか?

谷口:谷幸では毎月、幹部社員2人と共に勉強会を行なっているのですが、その際に指導いただいているコンサルタントから、企業理念がどういうものかは既に学んでいました。企業が結束するには柱となる理念が必要だということです。そこで谷幸の柱は社名に入っている「幸せ」であると思い至り、「じゃあ幸せって何だろう?」というところから、社員と話し合いを重ねました。

イ:「幸せ」という言葉の定義からスタートしたのですね!

谷口:会議を重ねてわかったのは、人によって幸せの形は違うということです。自分はどんなときに幸せを感じるかを話し合ったのですが、お金だけで幸せを感じる人は少なかったですね。ゲームをしているときや、寝ているとき、人に喜んでもらったときなど、様々な意見が上がってきました。幸せの形は人によって全然違うのだと気づいて、そこから更に「じゃあ幸せの根本的なことってなんだろう?」と話し合いました。

すると、形は違っても「幸せな時はみんな笑顔になっている」ということに気づいたのです。それに基づいて会議を重ね、「この文はおかしいよね」「じゃあこれってどういう意味ですか」と半年間試行錯誤を繰り返して、出来上がったのが現在の理念です。

一般的に、企業理念は経営者が作って社員へ伝えるものですが、私は社員に浸透しなければ意味がないと思いました。だから社員と一緒になって理念を考えたのです。

みんなで幸せになろう!大きく変わった意識

イ:企業理念を作る前はどのような状況でしたか?

谷口:以前は社員から、「谷幸はこれからどこへ向かっていくのだろう」「社長はどうして会社を作ったんですか」といった疑問の声が上がっていました。社員を安定させていくためだと私の考えを伝えても、ピンときていなかったんですね。社員に不安を与えていたことに気づきました。

そのため社員のモチベーションが続かず、短期的な頑張りしかできなかったと思います。会社を良くして行きたいと思っていても、利益が上がらなかったり、やりがいを感じられなければ、士気が下がっていきますよね。毎月勉強会や会議はしていましたが、形だけで上の空だったと思います。

イ:企業理念を作ったことでどのような変化がありましたか?

谷口:企業理念に基づいて「みんなで幸せになろう」というモチベーションが高まって、社員みんなが変わってきました。

以前は、忙しいと隣で仲間が疲れていても気づけないようなこともありました。昨年末は特に目が回るほど忙しかったのですが、企業理念の作成途中だったので「自分たちは何のためにやっているのか」「これからどういう風になっていくのか」が明確になっていたんです。目指す方向が定まっていることで、みんなでここを乗り切ろうという、今までにない勢いがありました。以前と比べて、踏ん張りの効き方が全然違いますよ。

今年からは、現場管理や実行予算などの細かい業務も、社員と一緒に取り組むようになりました。経営者目線で関わってもらっています。

社員の頑張りをきちんと還元したい

谷口:また、会社の利益をどう使っていくかということまで話すようになりました。「ボーナスはいくら欲しいか」と意見を聞いて、社員の稼いだお金がボーナスとして還元される、明確な金額を出したんです。すると、それだけの利益を上げるにはどれだけの業務をこなしていく必要があるか、わかりますよね。

私は頑張っている社員のみんなに利益を還元してあげたいと思っています。そのために、毎月の利益を上げながらお客様にもきちんと満足していただこう、だからこの企業理念は絶対忘れずにいこうと話し合っています。

途中で課題があっても、理念があればブレません。例えば少し前に、ご縁のなくなってしまったお客様がありました。以前なら次のお客様を開拓すればいいと考えていたと思いますが、企業理念があることでみんなが「このままではいけない」と気づくことができたのです。

企業理念が上辺だけになっているのではないか、実際はお客様を幸せにできていなかった、疎かになっていたと。ただ理念を作るだけで満足していてはいけないなと、みんなの意識が大きく変わりました。

一緒に作った理念だから頑張れる

イ:社員にとって企業理念はどういう存在になっていますか?

谷口:会社のもとですね。これがあるから仕事を頑張れるんです。正直なところ、企業理念を作る前は、その大切さがわかっていませんでした。かっこいいことを掲げても上辺だけだろうと思っていたのです。

でも実際に社員と半年間、試行錯誤しながら作り上げていくなかで、完成間近となったときに社員から「いいですね!」「これでやっていかないといけませんね」という言葉が出たんですよ。外国人社員にも、彼らの母国語に翻訳して伝えるようにしています。もし私とコンサルタントで作った理念だったら、このようにはならなかったと思いますね。

イ:谷幸という社名がそのまま企業理念になっていますよね。

谷口:実は、創立時に予定していた社名は「谷幸」ではなかったんですよ。もともと谷口工業の略で「タニコウ」という呼称が定着していたので、当て字で「谷“巧”」としていたのです。お客様にきちんとした仕事を提供したいという想いから「巧(たくみ)」の字を入れたのですが、発表した際に他社の仲間から「巧ではなく“幸”がいいのでは」と言われて。帰宅後にじっくり考えたら「確かにそうだ」と。私には昔から、まわりの人みんなを幸せにしたいという想いがあったことに気づいたのです。その時点で既に社印も完成していて、手続きも終わっていたのですが、「谷幸」でいこうと決断しました。そこから理念にもつながりましたね。

谷幸は社長でなく社員が作る会社

イ:谷口社長の今後のビジョンを教えて下さい。

谷口:私たち谷幸は、お客様はもちろん、従業員も家族も仲間も、関わる人全員を幸せにしていくことを目指しています。

お客様にはリピーターとして仕事をご依頼いただける会社でありたいですし、谷幸に頼んで良かったと感じていただきたいです。「谷幸の●●さんに仕事をやってほしい」などのお言葉もいただけるようになっていきたいですね。

会社の利益をみんなで上げていくだけでなく、建築業界では一般的でなかった社会保障・社会保険などの制度もきちんと整えて、家族のためにも安心して働ける会社を目指していきます。

谷幸は私ではなく、社員が作る会社です。やりたいことがあれば、若い新しいアイデアもどんどん採用していきたいと考えています。例えば、YouTubeから情報発信していこうというアイデアも既に出ています。これから会社を盛り上げていく若い社員の意見をどんどん取り入れて、新しいことにチャレンジしていきたいですね!

谷幸の企業理念には、谷口社長だけでなく社員みんなの想いが込められていました。

「私たちは人に必要とされ役に立ち幸せと笑顔を届けます!!」

現場での一人ひとりの表情からも、その理念が感じられました。本日は本当にありがとうございました!