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後輩指導には「見守り」と「我慢」が必要。谷幸の“やさしいお兄さん“嘉屋(かや)”にインタビューをしてみた!

東京品川区を拠点に活動している左官集団、谷幸です。弊社には高い技術力と志をもった真の職人が在籍し、少数精鋭のプロ集団として日々お客様の満足を追求しています。

今回もスタッフのお話になります!インタビューに応じてくれたのは物腰も口調も穏やかな嘉屋です。職人らしからぬその雰囲気はいったいどのような経緯でつくられていったのか?!これまでのこと/これからのことをじっくりと聞いてみました!

どのような経緯で谷幸に入ったのですか?

谷幸が会社になったのは昨年ですが、社長の谷口との付き合いは長くてもう4年になります。私は未経験で左官の世界に飛び込んだのですが、その会社に谷口社長が在籍していました。そこでは親方ごとにいくつかの班に分かれており、最初に配属された班が「谷口班」だったのです。左官という業種自体がはじめてだったので新しいことだらけで新鮮ではありましたが「大変」「辛い」ということはなかったですね。それよりも谷口のキャラが強すぎて、正直一緒にやる上で葛藤がありました。悪気こそないにしても、谷口は関西出身なので言葉がきつい。そして職人気質なので指導も妥協を許さないところがあります。それでも谷口には根底にやさしさがあるのですが、他の先輩の中には新人に対して風当たりが強い人もいまして、自分の性格的な問題もありますが3カ月たったころには「谷口班を抜けたい」と社長に申告していました。今思うとわがままな新人ですよね。

4カ月ほどは他の班でやらせてもらって、そしてある時また社内人事で谷口班に戻されました。もうそこからは覚悟を決めて一緒にやっていく方法を模索する方向に向かいましたね(笑)

働き始めのころと今では、気持ちに変化などはありましたか?

最初のころは仕事が楽しくなかったというのが正直なところです。いまでこそ谷口も変わりましたが自分が谷口班に入った当初はみんなピリピリしていて、生き生きと仕事をしているといった雰囲気ではなかったです。仕事の全貌も見えず、その日やることだけをこなして毎日が終わるという状況でした。やらされている感がすごくありましたね。谷口が独立し、谷幸になってからもこの状況はさして変わらなかったのですが、このままではまずいと誰もが感じていて、先輩の庄(しょう)の働きかけなどもあって社長も私たちも変わろうということになりました。

あるとき本音でぶつかり合い、会社をよりよくしていこうという方向性を擦り合わせて今の谷幸になりました。雨降って地固まるってやつですね。自分は思ったことが言えずにため込んでしまうタイプだったのですが、そういうこともなくなりましたね。

もう4年目になりますが庄と私が社員として会社を引っ張る立場にいるので、今では事務作業なども率先してやるようにしています。工程管理や研修生のサポートなど自然に全体に目が向くようになってきました。自分の立場の変化と会社自体の変化で、自分の心持ちもだいぶ変わってきました。

谷幸には外国からの研修生もいますが、教育や指導面で心がけていることはありますか?

シンプルに「自分がされていやだったことはしない」に尽きますね。未経験で入った場合は、頭でわかっていても思うように手が動かなかったり、段取りがわからずもたもたしたりするのが当たり前です。一生懸命なのですが空回りしてしまう。彼らだって歯がゆいのです。それを頭ごなしに叱ったりイライラしている様子などを見せてしまうと、さらに気持ちが追い詰められてしまいます。自分がそうやられていやだった経験があるので、自分は決して新人には威圧的な指導はしないつもりです。やらせてみて、できるまで待つ。上手くできていないけれど、きっとこうやりたいんだなって気持ちを汲んであげることも大事ですよね。「見守り」「我慢」の2つです。

せっかく左官の世界に入ってくれたのだから楽しく働いてほしい。左官は100%手仕事なので精神状態も仕事に影響します。人の生活を豊かにする仕事なので、自分たちの心がすさんでいたら説得力がないですよね。上達が思うようにいっていない場合にはこちらの指導の原因も考えてみて、お互いに手探りで成長をしていくような感じです。

将来的なビジョンはありますか?

左官の道は奥が深いと思います。昔は一人前になるのに10年かかるとも言われていましたが自分はまだ4年目です。左官の技術という意味では一通り覚えたつもりではありますが、その先のクオリティの部分ではまだまだだと思いますね。将来的なビジョンは今の左官という仕事をもっと突き詰めて自分の中での納得を見つけることですね。あれもこれもやりたいという手を広げるような発想はその先の話だと思います。

一方で会社としては近い将来、海外進出することも考えているので、それに追従するつもりはありますね。会社としてのチャレンジには、社員として協力は惜しまないつもりですし、自分も楽しみにしています。

最近新しい仲間が2人増えたので、ますます組織としての強度が必要になってきました。新人が安心して仕事に取組みのびのびと成長できるように、社員一丸となって環境を整えていくつもりです。